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ニキビ、肌荒れ、マスクトラブル、乾燥肌

ニキビ

ニキビの症状が続いて悪化させると治すことが難しい痕(あと)が残り、心理的な負担などその影響は小さくありませんので早めの治療が大切です。
ニキビの治療は保険診療で使えるお薬が最近とても進化して来ています。

原因

毛穴に皮脂がたまると最初は白ニキビや黒ニキビとなり、やがてアクネ菌が増えて炎症を起こし赤ニキビになります。
さらに悪化すると膿を持ったりシコリになったりします。

睡眠不足やストレス、生理の影響や便秘なども関係することが広く知られています。
中学生のニキビは額に多いですがいわゆる大人ニキビは顎周りに多いです。
これは顎が皮脂と汗のバランスが崩れて乾燥しやすい上、さらに頬杖をついたりマスクのはじが当たったり、冬季はマフラーやタートルネックなどの物理的刺激を受けやすいことなども理由です。
また顎周りのニキビはかゆいことも多いのでついつい手で触りがちでより悪化しやすくなります。

予防

規則正しい生活を送りなるべくストレスを減らすようにして、お食事はバランスよく取ってください。
お化粧は毛穴を塞がないようなものが好ましいです。クレンジングと洗顔料でこすらずきちんとお化粧を落とした上で十分な保湿も必要です。
またニキビを触ると刺激になりますので、髪型を含め工夫してください。
生理不順や便秘などの問題がある方は各々の専門医への受診をお勧めします。

 治療

症状に合わせ毛穴のつまりを改善させるぬり薬(アダパレン、過酸化ベンゾイル)と赤ニキビや膿を持つニキビがあれば抗生物質の飲み薬(ドキシサイクリンなど)ぬり薬(リン酸クリンダマイシン、ナジフロキサシン、オゼノキサシンなど)を組み合わせて使います。
また、炎症が良くなった後も再発予防に毛穴のつまりを改善させるぬり薬を続けていただくのが保険診療での標準治療です。
ただ、この毛穴のつまりを改善させるぬり薬はいずれも比較的刺激が出やすいので、保湿剤も併せて処方しています。

なお、胸や背中のニキビは顔のニキビとは原因菌が異なる場合があり、この「マラセチア毛包炎」には抗真菌薬ケトコナゾールのぬり薬を用います。

ニキビは一旦悪化すると悪循環に陥りやすい病気です。
そのため元々ニキビ肌ではない方は、しばらく集中して治療して悪循環を脱するとその後は比較的落ち着きます。

なお、毛穴に溜まっている皮脂を針で穴を開けて押し出す面皰圧出という処置は、逆に刺激になり、痕(あと)を残す場合もあるため当院では行っておりません。

→日本皮膚科学会H P Q&Aリンク

マスクトラブル

コロナ感染予防のマスク着用により、湿疹かゆみやニキビ肌荒れ、肌の乾燥、耳切れが増えました 。

  1. 湿疹かゆみ
    マスクの形や材質により擦れてかゆくなります。また蒸れて汗をかき、それが刺激になる場合もあります。また、これらが不快でついつい触ってしまい悪循環になります。
    この他、元々鼻のわきから顎のくぼみにかけて赤みの出る脂漏性皮膚炎の悪化なども起こります。
    それぞれの方の症状に合わせた炎症を抑えるぬり薬で治療します。
  2. ニキビ
    ニキビは毛穴の出口が角栓でつまって皮脂がうまく排出されないことで炎症を起こしてできます。マスクをしていると角栓ができやすくなるだけでなく、擦れて更に炎症を悪化させます。
    また、コロナ禍での種々のストレスも悪化の一因となります。
    治療は基本的なニキビ治療に準じて行います。
  3. 肌の乾燥
    マスクが肌を擦ることにより、水分油分が拭き取られ乾燥しやすくなります。
    また、カサカサするだけでなくかゆみもあれば単なる乾燥ではなく湿疹の場合がありますので、お手持ちの保湿剤などで改善しない時はご相談ください。
    炎症を抑えるぬり薬や保湿剤の処方で治療を行いますので、市販薬よりスムーズな快方が見込めます。
  4. 耳切れ
    耳の裏や耳の下のくぼみは元々皮ふトラブルの多い部分ですが、マスクのヒモの刺激により更に皮ふが炎症を起こしやすくなります。
    赤みかゆみのだけでなく耳の下の皮ふが切れる「耳切れ」もおこります。

皮膚トラブル対策

  • 適切なスキンケアを行いましょう。
    ミルクタイプのクレンジング剤を指定された通りたっぷり使い、洗顔料もたっぷり泡立てて肌を擦らないようにソフトに洗います。そして最後は充分な保湿も必要です。
  • 顔の大きさに合ったマスクを選びましょう
    現在は多種多様なマスクがありますのでご自身に合ったものを選んでください。
  • 正しく装着しましょう。
    鼻のワイヤーを鼻の高さに合わせて曲げてマスクを立体的に広げることで、なるべくマスクが擦れない、動かないようにしましょう。
  • 適度に外しましょう。
    2022/5/20政府より「屋外・会話なしならマスク不要」の見解も出ました。
    条件が許せばマスクを適切に外しましょう。
    その際はいわゆる「顎マスク」はお薦め出来ません。耳からも外しましょう。
    顎の部分の皮膚が摩擦され、元々顎に出やすい大人ニキビを悪化させる可能性があります。
  • 紫外線対策も忘れずに
    マスクをしていても日焼け止めを塗るなどの紫外線対策は忘れずにしましょう。

肌荒れ・赤ら顔

症状

肌荒れ、赤ら顔の一部は「酒さ」と考えられます。
30~50代のやや女性に多く鼻や頬、額などに 赤みやニキビのような症状が出ます。

原因

原因は明らかになっていませんが元々の体質に紫外線や温度差、精神的ストレス、飲酒や 辛い食べ物などの刺激が重なって発症すると言われています。

治療

まずは適切なスキンケア(低刺激な化粧品の使用や保湿)と上記のような悪化因子を避けることが大切です。
また、症状が落ち着くまである程度時間はかかりますが、処方薬での快方が見込めます。
漢方薬や炎症がある際は抗生剤の飲み薬に加え、2022年抗菌剤の一種であるメトロニダゾールのぬり薬が保険適用になり治療がしやすくなりました。

乾燥肌

 症状

顔の肌の乾燥についてはマスクトラブルの肌の乾燥をご参照ください。

体の皮ふの乾燥はスネが真っ先に乾燥しやすく、続いて背中やわき腹にもかゆみが出ます。
カサカサしたり点々と赤くなったりしますが、かゆみが強い割に赤みが目立たないケースが多いのも乾燥性の湿疹の特徴 です。

 原因

皮脂の分泌の低下などにより 皮膚が乾燥します。乾燥した肌は刺激に弱くなります。
空気の乾燥する秋から冬にかけて、最近は夏のエアコンによる乾燥の方も増えました。
一般的にはエイジングにより悪化しますが20代から見られます。また、思春期前の子どもも皮脂は少なめですので乾燥で痒みが出やすいです。

 治療

赤みが目立たないため放っておかれ、かゆい部分の皮ふが茶色く変色してから受診される方も多いです。
これは乾燥性の湿疹による炎症後色素沈着ですので、そうなる前の早期の対策が必要です。
まずは保湿剤をぬっていただくだけでなく、赤みが目立たなくてもかゆみが強い場合は炎症を抑えるぬり薬や痒み止めの飲み薬が必要な方もいます。

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